ENVIRON
MENT環境
マテリアリティ
気候変動への対応と環境負荷低減
脱炭素社会の実現とクリーンな大気を目指して
再生可能エネルギーの活用や環境配慮車両の導入など、さまざまな施策を展開し、CO2排出量の削減を進めるとともに、NOx・PM排出量の管理を徹底することで、気候変動対策と大気環境の保全に積極的に取り組んでいます。
CDP2025「気候変動」の評価で2年連続「Bスコア」を獲得
環境情報開示の透明性と脱炭素への取り組みが国際的に認められました
当社グループは、国際的な環境情報開示プラットフォームであるCDPの2025年評価において、気候変動分野で2年連続「B」スコア(マネジメントレベル)を獲得しました。これは、気候変動リスクへの対応や排出削減に向けた取組が国際的に評価されたことを示しています。
CDPは、世界最大の環境データプラットフォームであり、企業の情報開示や環境管理をA~D-の段階で評価します。2025年は22,100社以上が情報を開示し、そのうち約20,000社にスコアが付与されました。
当社は、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、配送コースの最適化、省エネ運転、CO2排出量の見える化、再生可能エネルギーへの転換、独自の「運ばない物流®」など、脱炭素に向けた施策を着実に進めています。今後も、情報開示の充実とサステナビリティ経営の高度化を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
脱炭素社会の実現に向けたビーインググループの取組事例
※当社グループで排出する地球温暖化ガスはCO2であり、この削減に取り組んでおります
新テクノロジーの導入/合成燃料と環境配慮車両の導入
当社グループでは、脱炭素社会の実現に向け、合成燃料の活用可能性を検討するとともに、低炭素型ディーゼル車やハイブリッド車、電気自動車など環境負荷の少ない車両の導入を積極的に進めています。これらの取り組みにより、CO2排出量の削減と持続可能な物流の実現を目指しています。
合成燃料の現状と今後の展望
合成燃料は、既存の内燃機関車両や燃料供給インフラをそのまま活用できるという特長を持ち、CO2排出量削減を迅速に進めるうえで有効な選択肢と考えています。
一方で、普及に向けては製造コストの高さや大規模な供給体制の確立といった課題があります。当社グループは、合成燃料が将来の主要な燃料オプションの一つになると確信しており、導入実現に向けて、販売元や自治体、業界団体と連携しながら具体的な検討を継続してまいります。
低環境負荷車両の導入状況
当社グループでは、低炭素型ディーゼル車、ハイブリッド車(HV)、液化石油ガス車、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)など、環境負荷の少ない車両の導入を積極的に進めています。現時点では、輸送車両としての電気自動車の導入実績はありませんが、今後の技術進展を見据え、導入の可能性を検討しています。
下表に、当社における低環境負荷車両※の導入状況を示します。
- 当社グループでは、EV・FCV・HEV・天然ガス車、最新排出規制適合ディーゼル車および低炭素型ディーゼル車を総称して「低環境負荷車両」と定義しています。
| 低環境負荷車両保有比率 | [単位:台] | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |||
| 低環境負荷車両合計 | 339 | 373 | 404 | ||
| 電動車※1 | |||||
| 電気自動車(BEV)※2 | 0 | 3 | 4 | ||
| 燃料電池自動車(FCV) | 1 | 1 | 1 | ||
| ハイブリッド車(HEV) | 20 | 28 | 35 | ||
| 天然ガス車等※3 | |||||
| 石油ガス車(LPG) | 45 | 44 | 34 | ||
| ディーゼル車※4 | |||||
| 低炭素型ディーゼル | 123 | 146 | 179 | ||
| 最新規制適合ディーゼル | 150 | 151 | 151 | ||
| 全グループ保有車両台数 | 395 | 433 | 457 | ||
| 全グループに占める低環境負荷車両の割合 | 78.8% | 80.4% | 88.4% | ||
- ※1 電動車は、エネルギー基本計画に基づき、BEV、HEV、FCVを含む。
- ※2 BEVは現時点では社用車として導入。
- ※3 天然ガス車等にはCNG/LNG/LPGを含む。なお石油ガス車(LPG)を旅客用に導入。
- ※4 ディーゼル車については、最新排出ガス規制への適合の有無およびCO2削減効果を踏まえ、低炭素型ディーゼルとその他に区分している。
低炭素型ディーゼル車とは、車両総重量3.5トン超のディーゼル車で最新排出ガス規制に適合し、かつ2025年度の重量車燃費基準(JH25モード)に対して+5%以上を達成したものを指す。
なお、最新排出ガス規制適合ディーゼル車とは排出ガス規制区分が「ポスト新長期規制」または「ポストポスト新長期規制」に適合する車両としている。
- 各車両は上位区分に基づきいずれか1つにのみ計上し重複計上は行っていない。
低環境負荷車両の導入事例:FCトラック
2023年8月に当社グループの株式会社東京アクティーは、燃料電池小型トラック(FCトラック)を東京都八王子市の事業所に導入しております。本取組は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築」より交付決定を受けた株式会社ローソンの研究開発の一環として、三菱食品株式会社、株式会社東京アクティーが車両運行を協力するというものです。当該車両の運行実績から知見を深め、今後、有効性や効率性の高い技術車両の導入を目指してまいります。
| 車両 仕様 | 寸法(mm) | 全長6,895/全幅2,225/全高3,150 |
|---|---|---|
| 最大積載量 | 2,500kg | |
| 航続距離 | 約260km | |
| 最高速度 | 80km/h | |
| 水素貯蔵量 | 約10kg |
再生可能エネルギーへの転換
再生可能エネルギーの活用
- 電力マネージメントの強化 -
太陽光発電の導入
当社グループでは、電力使用量の削減に取り組むとともに、2023年以降、自社保有のすべての物流センターに太陽光発電設備を設置し、化石燃料由来の電力から再生可能エネルギーへの転換を進めています。これにより、CO2の間接排出削減に貢献するとともに、脱炭素社会の実現を目指しています。また、近年高騰している電力コストの低減効果も期待できます。
実質再エネ化の取組と今後の有効活用の検討
当社グループでは、自社保有の物流センターにおいて、太陽光発電による再生可能エネルギーの利用を積極的に進めています。さらに、太陽光発電でカバーできない夜間の電力消費などについては、CO2を排出しない電力を調達することで、実質的な再エネ化を実現しています。
今後は、太陽光発電のさらなる有効活用に向けて、蓄電設備の増設や、テナント倉庫に再生可能エネルギーの環境価値を付与する仕組み(非化石証書など)の導入を検討してまいります。
また、将来的に導入が期待されるEVトラックについても、太陽光発電由来の再生可能エネルギーを活用し、CO2を排出しないクリーンな物流業務を目指してまいります。
循環型社会の実現
廃棄物削減の取組 - 3R活動 -
当社グループでは、持続可能な未来の実現を目指し、資源の3R(Reduce:削減、Reuse:再利用、Recycle:再生)に取り組んでいます。特に、事業活動で発生する廃棄物の削減を重点的に進めています。
例えば、輸送梱包用のストレッチフィルムについては、リサイクル可能な資材への置き換えを進めるとともに、繰り返し使用できるバンドやネットなどの梱包ツールへの切り替えも検討しています。
梱包用ストレッチフィルム
地域と連携した気候変動対策の推進
気候変動対応の啓蒙(セミナー・講演)
当社グループでは、気候変動への対応を広く啓発するため、講演会やセミナーでの情報発信に取り組んでいます。当社グループCEOやサステナビリティ推進室が登壇し、脱炭素の考え方や事例を紹介しています。講演では、コストや技術開発の制約がある中で、まずはできることから始めることの重要性、コスト削減を重視する視点、そして脱炭素の加速にはDXの推進が不可欠であることなど、当社の経験を踏まえた実践的な内容をお伝えしています。参加者からは多くの質問をいただき、気候変動対応への高い関心を実感しています。
金沢市主催 事業者向け産業別脱炭素セミナー 講演
「運輸部門における脱炭素の課題と取組」
経営戦略セミナー 講演
「GXをビジネスチャンスに活かす」
白山商工会議所 カーボンニュートラル実践セミナー事例発表
「サステナビリティ推進活動の進め方について」
地域と連携した気候変動対策の推進
当社グループは、気候変動対策を重要課題と位置づけ、CO2排出削減や環境負荷低減に取り組んでいます。しかし、物流業界全体で解決すべき課題も多く、単独での対応には限界があります。
そのため、当社は自治体、運輸関連協会、地域の大手物流事業者と積極的に意見交換を行い、情報共有や協働の場を設けています。こうした連携を通じて、地域全体で持続可能な物流の実現を目指し、より効果的な取り組みを推進します。
今後も、業界や地域とともに「環境にやさしい物流」を実現するため、積極的な対話と協力を続けてまいります。
大気の質/大気への影響
大気汚染
当社グループでは、大気汚染が健康や自然環境、生態系、経済に大きな影響を与えることを認識し、NOxやPMなどの大気汚染物質の算定と削減に取り組んでいます。
物流・旅客事業における大気汚染への影響は、車両の型式と走行距離に左右されるため、最新の環境基準に適合した車両への定期的な入れ替えを進めています。さらに、稼働率・積載率・実車率の改善による配送効率の向上や、配送コースの最適化による走行距離削減を通じて、大気汚染対策を強化しています。
マテリアリティ
強靭で持続可能な業務プロセスの構築
未来につなげる、強くしなやかな物流
コスト構造改革や業務効率化、付加価値サービスの創出を進めることで、変化に強い持続可能な物流プロセスの構築を目指しています。
これにより、従業員の働きやすさ向上やスキル発揮の促進など人的資本の強化に加え、業務の脱炭素化・省エネ化を通じた気候変動への対応にもつなげています。
次世代につなげる強靭な業務プロセスの確立
物流のイノベーション/独自ビジネスモデル
運ばない物流®
当社グループでは、効率的な消費者対応(ECR:Efficient Consumer Response)と顧客中心主義(Customer Centric)の考え方に基づき、従来のサプライチェーンにおける[メーカー物流センター]、[中間流通業物流センター]、[小売業物流センター]を統合し、生産地から消費地までの物流を見直す『運ばない物流®』を提案・実践しています。
この取り組みにより、ロジスティクスの最適化によるコスト削減や物流2024年問題への対応を進めるとともに、配送や構内作業の大幅な削減を実現し、顧客のScope3(Cat4・Cat9)に関わるCO2排出量の削減にも貢献します。
業務効率の改善による脱炭素の実現
配送コースの最適化
当社グループでは、従来は拠点ごとに配送計画を作成していましたが、搬送後の車両積載率向上を目的に、複数拠点の配送業務と計画を統合し、効率化を進めました。
その結果、配送に使用する車両数を6%削減するとともに、お客様の急な物量増加にも柔軟に対応できる体制を構築し、増便を行わずにご要望にお応えできるようになっています。
低燃費を実現するためのその他の取組
当社グループでは、省エネの実現に向けて、次のような取り組みを進めています。
- ①AT車両の導入
ドライバー不足への対応と燃費の安定化を目的に、運転技術の差による燃費ばらつきが少ないAT車両を導入し、安定した燃費を確認しています。 - ②車両のカスタマイズ仕様
増トン対応車両の導入により、積載効率の向上を図っています。 - ③エコタイヤ装着
エコタイヤの導入を進めており、当社の運行コースでの比較評価では約5%の低燃費効果が確認されています。- 効果は当社車両による評価結果に基づきます。
マテリアリティ
DX(デジタルトランスフォーメーション)の深化
デジタルで物流を進化させる
業務の自動化やビッグデータの活用、DX投資を推進し、オペレーションの高度化と競争力の強化、新たな価値の創出に取り組んでいます。
DXとGX
見える物流(Jobs)とCO2排出量の可視化
当社グループでは、「生産性」「輸配送」「倉庫(在庫)」「勤怠」「バース」「CO2排出量」を、当社独自のシステム「Jobs」で統合・管理し、情報共有のためのデータネットワークを構築しています。これにより、リアルタイムでモノの流れを見える化し、顧客もインターネット経由で同一情報を確認できる仕組みを実現しています。
さらに、CO2排出量は輸配送管理システムと連携し、配送ごとに算定できる仕様となっており、協力会社を含め全車両の燃料消費やCO2排出量のデータを可視化できます。これにより、排出異常の検出や、今後の削減に向けたアクションを進めることが可能です。
