ENVIRON
MENT環境
脱炭素社会の実現に向けたビーインググループの取組事例
※当社グループで排出する地球温暖化ガスはCO2であり、この削減に取り組んでおります
新テクノロジーの導入
低炭素車両(EV、FCVなど)の導入
脱炭素社会の実現の有効な施策としてEV、FCVなど低炭素車両の導入を検討しております。現在、車両メーカーと定期的な打合を行い、最新情報を入手しておりますが、当社の主力である3t、4t車両のEV化が待たれる状況です。
先行的な取組として、2023年8月に当社グループの株式会社東京アクティーは、燃料電池小型トラック(FCトラック)を東京都八王子市の事業所に導入しております。本取組は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築」より交付決定を受けた株式会社ローソンの研究開発の一環として、三菱食品株式会社、株式会社東京アクティーが車両運行を協力するというものです。当該車両の運行実績から低炭素車両の知見を深め、今後、有効性や効率性の高い技術車両の導入を目指してまいります。
車両 仕様 | 寸法(mm) | 全長6,895/全幅2,225/全高3,150 |
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最大積載量 | 2,500kg | |
航続距離 | 約260km | |
最高速度 | 80km/h | |
水素貯蔵量 | 約10kg |
物流のイノベーション/独自ビジネスモデル
運ばない物流®
当社グループでは、効率的な消費者対応(ECR)と徹底した顧客中心主義(Customer Centric)のもと、従来のサプライチェーンに関わる[メーカー物流センター]、[中間流通業 物流センター]、[小売業 物流センター]を統合することで、生産地から消費地までの物流の見直しを図る『運ばない物流®』を提案・実践しております。
これによりロジスティクスの最適化によるコストダウンや物流2024年問題への対応が進められる他、サプライチェーンでの配送や構内作業が大きく削減でき、顧客のScope3 Cat4、Cat9の輸送・配送業務に関わるCO2排出量の削減を進められます。
DXとGX
CO2排出量の可視化
当社グループでは、「生産性」、「輸配送」、「倉庫(在庫)」、「勤怠」、「バース」、「CO2排出量」を、当社独自のシステム:Jobsで統合・管理し、情報共有のためのデータネットワークを構築しております。これにより、リアルタイムのモノの流れの見える化、顧客側もインターネット経由で同時に同一情報を確認できる見せる化を実現しています。
その中でCO2排出量は輸配送管理のシステムと連携し配送毎に算定できる仕様になっており、協力会社も含め全車両の燃料消費やCO2排出量のデータを可視化できます。これにより排出異常の検出や今後の削減に向けたアクションを進めることができます。
コスト削減と脱炭素の取組
配送コースの最適化
当社グループでは、従来拠点毎に配送計画を作成しておりましたが、搬送後の車両の積載率の向上を目的に複数拠点の配送業務・配送計画を統合を行い、配送業務の効率向上を進めました。
これにより、配送に使用する車両数を6%削減でき、また、お客様の急な物量増加等のご要求にも配送能力の弾性をもたせることができ、増便対応を行うことなくお応えすることが可能となっております。
安全・省エネ運転の徹底
当社グループでは、従業員・ドライバーに安全・省エネ運転の教育を行い配送業務の安全性確保・省エネの周知を行っております。また安全性確保、運転診断、省エネ運転による燃費向上をエコワングランプリと名づけ毎年実施しており、優良ドライバーを表彰しております。
この取組によりドライバーの安全・省エネの意識付けが進むとともに実績として5%もの燃費向上を確認できました。また燃費向上が評価されることでの従業員エンゲージメント向上も期待できます。
低燃費を実現するためのその他の取組
当社グループでは、省エネ実現のために次のような取組を進めています。
- ①AT車両の導入
ドライバー不足の背景を受け、経験や運転技術の差による燃費ばらつきが少ないAT車両の導入を進めています。
これにより安定的な燃費を確認できています。 - ②車両のカスタマイズ仕様
当社グループの車両は増トン対応し積載効率向上を進めています。 - ③エコタイヤ装着
エコタイヤの導入を検討しています。省エネの効果確認中です。
循環型社会の実現/再生可能エネルギーへの転換
- 電力マネージメントの強化 -
太陽光発電の導入
当社グループでは、電力使用量の削減を進めるとともに、2023年~2024年にかけて自社保有の全物流センターに太陽光発電装置の設置・導入を行い、化石燃料エネルギー由来から再生可能エネルギー由来への転換、循環型社会の実現への貢献を進めております。これによりCO2の間接排出を低減できるとともに、近年高騰している電力コストの低減も期待できます。
実質再エネ化の取組と今後の有効活用の検討
当社グループでは自社保有の物流センターで使用する電力を太陽光発電による再生可能エネルギーの使用を進めるとともに、太陽光発電ではカバーできない夜間の電力消費などを補うために、CO2を排出せずに発電された電力の調達を進めており、実質再エネ化の実現を目指しています。
さらに太陽光発電の有効利用を検討してまいります。蓄電施設の増設やテナント倉庫への環境価値の導入を検討してまいります。将来的に導入の期待が高まるEVトラックに用いる電力も太陽光発電による再生可能エネルギー由来の電力を用い、CO2を排出しないクリーンな業務を目指してまいります。
廃棄物削減の取組 - 3R活動 -
当社グループでは、持続可能な未来の実現を目指し資源の3R(Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再生))を進めております。特に事業を通して発生する廃棄物の削減を進めております。例えば、輸送梱包用のストレッチフィルムはリサイクル可能な資材への置き換えを進めるとともに、さらにそれ自体を繰り返し使用可能なバンドやネットなどの梱包ツールへ切替えを検討しております。
持続可能な社会づくりへの啓発活動事例
気候変動対応の啓蒙
教育・セミナー・講演
当社グループでは、気候変動への対応取組の啓蒙活動にも取組んでいます。その一環として脱炭素の取組の考え方や取組事例を紹介する場として講演会やセミナーでの講演活動を行っております(当社グループCEOやサステナビリティ推進室が登壇)。
脱炭素の取組は、「コストの課題と時間の制約(技術開発)があるため、まずはできることからやる」、「コスト削減がポイント」、「脱炭素取組の加速化のためにも、DXを推進する」ことなど、当社グループの経験を中心に説明をさせていただいております。参加いただいた方々からもご質問を多く頂戴し気候変動対応の関心の高さを確認しております。
大気への影響
大気汚染
大気汚染は健康、自然環境・生態系、経済に大きく影響すると認識しており、当社グループでは、NOx、PMをはじめとした大気汚染物質の算定と削減対策を進めております。
物流・旅客事業では、大気汚染への影響は使用する車両の型式と走行距離で決まります。その点をふまえ、当社グループでは最新の環境基準に適合した車両への定期的な入れ替えと、稼働率、積載率、実車率の改善による配送車両効率の向上、配送コースの最適化などによる走行距離削減を進め、大気汚染の対策を進めております。